『クラスメイト』 - 2/2 -
他の同級生の話しになった。
野球部の『H』、マスコミ関係の大きな会社で部長をしていると言う。
高校三年の一学期の期末テスト最終日、みんなで打ち上げをした。
その日は『H』の誕生日だと思っていた。
7月12日。
30から40人は集まった盛大な飲み会となった。(!?)
受験を控える夏、決起大会のような、高校生活最後の飲み会のような盛り上がりだった。
しかしその日は僕の『失恋記念日』でもあった。
三年になってから恋心を寄せていた『S』ちゃんに彼氏ができたという情報が入ったのだ。
その日まで、とてもイイ雰囲気になっていた、と思っていたのは僕だけだったようだ。
当時、彼女は『思わせぶりだよ』と言ってくれた仲間もいた。
なんて話しをすると、『M』が、
『え゛っーーー!! みのる(実際は本名)もぉーーー!! 俺もだよぉー!!』
と声を上げた。
『好きだったんだよぉー!』と、
僕の『失恋記念日』には、続きがあった。
『そんな僕を慰める為に二次会、三次会が開かれた』話し。
『(会を重ねる毎に親密になり)その日、その時から交際が始まったカップルができた』話し。
『M』は『S』ちゃんの話しにソワソワしていたようだ。
そんな中、僕は『S』ちゃんの知っていることなら、みんな盛り上がるだろうと思って、
『そう言えば、『S』ちゃんの夏服のシャツの袖から、『ワキ毛』がジョリジョリ覗いてたのを誰かが見たんだよなぁ』という話しをした途端、またしても、
『え゛っーー!?!? うっそぉーー!!』
と『M』が嘆き、叫ぶ。
『T』と僕は
『いや、ホント』『ホント』『なぁー』『なぁー』と同調する。
『ヤメてくれぇーーー!!!』
『M』の25年来の幻影が崩れ去った瞬間だった。
今日は『M』の『失恋記念日』を肴に飲む格好になった。
今年、四十四歳になる男、三人が高校三年の頃に戻ったように喋り続け、あっという間の四時間半。
なんと、居心地の好いことか。
再会を約束して、駅で別れた後の歩みは、春の香りのする夜風のようにとても軽やかだった。
(了)




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