『いただきもの』 ー 1 ー
六月五日から七日までの間、地元品川のお祭りにどっぷりと浸かってきた。
お祭りの会に所属していると一年のうち何度か決まって会う人と一年に一度しか会わない人もいる。
そして今回、何人かの人からいただきものをした。
江戸趣味の先輩『H』さんと町の鳶の頭からは毎年恒例となっている『てぬぐい』を頂戴する。
オリジナルデザインで本人の名入りという大変凝ったものなので、毎年楽しみになっている。
この『てぬぐい』を集めて、『胸割り』とか『エグリ(抉り?)』と呼ばれるシャツを作って着る人もいる。
そして今年は、いただいたものの中に特別なものが二つあった。
僕の江戸趣味の師匠でもある先輩『IT』さんは、お祭りのことはもちろんのお寺や、神社、半纏や帯、浴衣のことなどもよぉうく知っている方だ。
普段お世話になっている『IT』さんにお祭りで食べてもらおうと、母親の手作りの『大根の皮とするめいかのハリハリ漬け』(松前漬け風)を持参した。
その時、『IT』さんの奥さんのお勤めが王子駅からバスで何分かのところにあることを知った。
僕は僕で、つい最近、『都電荒川線』の『王子駅前』で降りて、江戸の昔から有名な『玉子焼き』屋さんを探して見つけられなかったことを話していた。
(http://minoru-iroiro2.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-b733.html参照)
お祭りの三日目、その奥さんからいただいたのが、落語『王子の狐』で登場する『扇屋』の『玉子焼き』である。
薄茶の包み紙に、緑と茶と黒の歌舞伎の幕色の紐でくくられた折は古き良き風情を感じさせてくれる。
そしてズッシリと重い。
後輩に切り分けてもらい、皆でいただいた。
酒好きの辛党の人もいれば、下戸で甘党、僕のような両刀使いのものも居るので、好みはいろいろで、賑やかになった。
落語にも詳しい『IT』さんは甘党で、江戸の老舗の味を楽しそうに味わっていた。
『大胆に甘くて、酒の香りと卵の風味がきいた懐かしい味で、ふわふわの食感が嬉しい。』
御馳走様でした。
(つづく)
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