『 空模様 』
日本で46年ぶりに皆既日食が観られた。
日本、と言っても鹿児島と沖縄の間にある小さな島だったり、小笠原諸島の先で、火山活動中なので、上陸が許されない島だったりとなかなか難しい。
宇宙が織り成すほんのひと時のいたずらのような現象が地球を熱くする。
(日陰に入るのにね。)
『日食ハンター』なんて人を食ったようなネーミングで呼ばれる人達もいる。
前の日、『葛飾花火大会』の花火を見物に行った。
ところは『葛飾柴又、帝釈天で…』傘を広げ、そぞろ歩きの夕の刻。
帝釈天の参道は会場へ向う浴衣姿の若いカップル達でいっぱいだ。
会場はその裏手、江戸川河川敷にある野球場。
腰をかける道具を持ち合わせなかったので、野天による雨越しの花火見物は中止にした。
湯葉料理とかうなぎ料理なんかをつまみながら、冷酒で一杯なんてやってる座敷から眺められるようであれば、風情もあったのかもしれないけどね。
ベランダの雨足が強くなったので時計を見ると、それは丁度花火大会終了時刻の頃で、葛飾柴又の江戸川上空はどうだったのか。
『皆既(日食)』時間が一番長いといわれていた『悪石島』は嵐のように風が吹きすさぶひどい状況になってしまった。
その他の鹿児島と沖縄の間の島々もスカッと晴れた空はあったのだろうか。
『NHK』の生中継は硫黄島と屋久島を中心に放送していた。
屋久島の森の中での撮影は、果たして『皆既日食』を表現できたのか。
森が暗くなるその向こうの空は、白く映っていた。
露出を空に合わせていたから、森の中が暗くなったのではないか、と一人テレビに向ってぶつぶつ。
快晴の硫黄島付近での撮影はしっかりと太陽が欠けていく姿が映し出された。
画面いっぱいの太陽。
『ダイアモンドリング』は確かに綺麗だ。
燃え上がる『コロナ』。
『コロナ』より低温の『プロミネンス』というのは初めてだった。(これはちょっと、赤っぽく映っていた。)
しかしどうして、みんな同じような映像しか映さないのか。
白黒のアップの太陽と『コロナ』、『プロミネンス』、『ダイヤモンドリング』。
他の映し方はできないのだろうか。
木漏れ日の影が欠けていくのとかを見たかったなぁ。
(東京は曇っていて、見られず)
硫黄島付近の客船上での撮影が良かった。
360度ぐるりの水平線に時刻外れのの暁が立ち上る。
その紅い冠の上は青く、そのまた上には月が作った太陽の影が筒状に天をさしていた。
船上で見ていた人達には皆既日食がどう見えたのか。
テレビで映しきれない自然の皆既日食をどう見たのだろうか。
肉眼で見ないと(身体で感じないと)得られない感動を求めて人々は旅をするのだろう。
そして天に描かれた『空模様』を見上げるのか。
(了)


















最近のコメント