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2010年1月16日 (土)

『僕は運動おんち』を読んで、(の前に、一首)

大晦日も松の内も仕事して 親不知抜く年初早々 (みのる)

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とても良かった。
先が気になり、加速しながら読み進んでしまうのに、読み終えるのがもったいない典型的に面白い本。

運動おんち?の主人公はその文章の力強さや、(ボディ)バランスや、(筆致)センスなど文章神経(文章の運動神経)が抜群の超高校級の才能の持ち主で、僕はとても羨ましくなった。

その上、手先が器用で、クロールが綺麗に泳げて、『ちんち……が、……』だなんて、……

『宇佐田春生』や『ライル・モス』や『英間樹』のネーミングの遊びや、
過去の現在に、現在の未来を語らせていたりするところも軽妙だし。
『カワユス』には微笑んでしまった。

なにしろ、読みはじめてすぐにキャラクター達の声が聞こえてくるよう。
(主人公の声は、枡野くんとは違う高い声だった。)


流石、作詞家『枡野浩一』と思わせたのは、
彼『川入勝』くんの日誌の文章からは、決してこの主人公は『おんち』ではないと思わせてしまうくらいリズミカルだ。
いや、文章がリズミカルでも、音程の取り方や発声の良し悪しは別モノなのか。

人の発した言葉が、微妙にズレたり、知らぬ間に伝わって、誰と誰が付き合っているとか、誰が彼のことを好きだとかなんてところもリアルだった。
組み立て方が良いんですかね。

それと寝言(『イツキ』)のところは、ドキッとしたなぁ。
やましいことは何もないんだけどねぇぇ。

男女のセクシャルなはなしもありそうと思わせるくらいのタッチで、その先は読者の想像力に任せている。
コアに考えたい人も、さらりと流したい人も楽しめるのではないか。


宇佐田くんはじめ登場人物との関係は最後までよくできていて、嬉しい小説だった。

僕の高校時代の仲の良かった友人とは、ちょっと違う方向にいってしまった。
結果それは、悪いことではなかったのかもしれないけどね。

高校時代の、恋愛、性、スポーツ、音楽、ファッション、部活、学園祭、先生、校舎、……
なにもかもが、いろんな人にとっての、あの頃のいいカンジを思い出させてくれる言葉やはなし。

僕は文学的には分からないけど、面白いし多くの人が読んで楽しめる本だと思った。

映画化、ドラマ化されたら、またまた面白いんじゃないだろうか。
主人公はショートが似合うかどうかは別として、細身のイケメン俳優『瑛太』くんなんか良いと思う。
最近の役者さん達のことは分からないので、他の登場人物は分からないけどね。

いやぁ、面白かった。
また、次のも期待しよう。


中身が全然分からない感想文って、ありですかねぇ。


               (了)


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