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2014年8月20日 (水)

『 禁断の飲み物 』 -前編-

私はこの夏、とうとう或る飲み物に手を出してしまった。

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景気が悪いとか、戻ったとか言うが、ものが溢れていることは、『バブル時代』『飽食の時代』なんてここ2、30年は変わっていない。

飲料品だってその例に洩れない。
全く品数が豊富で、選ぶのに困るなんてのを楽しんだりしている。


私の育った幼い頃、昭和40年代にはそれほど沢山の種類はなかった。


その頃に、とても印象的な夏の飲み物があった。

(時代の変わった今、僕はそれを『禁断の飲み物』と称している。)


それはチョコレートドリンク『ユーフー』でも、『チェリオ』でもない。
『Hi-Cアップル』でもなく、お米屋さんで売っていた『プラッシー』でもない。

お風呂屋さんで飲んだ『パイゲンC』は捨てがたいが、勿論『ラムネ』でも『カルピス』でもない。


それは何かというと、ヤカンで煮だした『麦茶』のことだ。

当時はどこの家でも当たり前に飲まれていた、と思う。

ぐつぐつと泡(あぶく)をたてて煮たっている。
麦の芳ばしい薫りが長屋の幾部屋を漂わす。
暫くおいてから、かねの盥に移し、流水であら熱をとって冷蔵庫で冷す。


カルピスやジュースを飲むときに使う背の高いグラスに氷を入れ、色も濃い麦茶を注ぐ。

そこに実は『上白糖』をたっぷりと混ぜるのである。

『砂糖入りの冷たい麦茶』

おやつの時間か、ティーブレイクのようなタイミングに出して貰ったと思う。

夜に飲んだ印象は薄い。

けれど、我が家の夏には欠かせない飲み物だった。

               (つづく)

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