ファッション・アクセサリ

2012年5月15日 (火)

『 膝上丈 』

ソフトバンクのCMで白戸家のお父さん(犬のカイ君)が言う。

『母さんのスカートが短い!』

するとトリンドル(『鳥取』と書いて)嬢が
『おかしいことをおかしいと言う勇気!』
と言う。
そしてまたお父さんが言う。
『だから、お母さんのスカートが短い!』
と繰り返す。


近頃なにを勘違いしてか、年配の女性が膝上丈のスカートを履いている姿を見かける。

下を向いて歩いているからか、いやらしい男だからか、その脚からずずずいっと顔までついぞ見上げてしまって後悔する。
最近は途中でなんとなく気付くこともあるのだが、その方が年配であるとわかると
『それはないだろう。』と思ってしまう。
『思ってしまう』のだから仕方がない。


樋口可南子さんといえが、今から二十数年くらい前だろうか、モノクロのヘアヌード写真で話題を呼んだけれども、そんなこととは別にとても魅力的な女優さんだった。
上品さの中に独特な色香を感じさせた。

コピーライターの糸井重里さんと結婚されたこともショックだったくらいに好きな女優さんだった。
(糸井さんには失礼ですが、)

そんな女優さんであっても、膝上丈スカート(緑のセーラー服という風変わりな衣装とはいえ、)をはいているのを見ると、
『それはちょっとどうなの?』と疑問符をつけてしまう。
(もちろんCM的には話題性があって成功しているかもしれないが、)

てことは、そんじょそこいらの町場のおばさんが膝を出して歩いてたとしたら、それはもう御免被るのもいたしかたないと思っていただきたい。

まず、膝がぐりっと出っ張っちゃってるし、肌がまだら模様になっちゃってたりする。

暑くてそうしてしまったのなら、まだ仕方がないかもしれない。
が、ファッションでそうしている人というのが勘弁なのだ。

なぜか、大概が衣装だけが浮いてしまっていて、若い人が着る服をそのまま着ちゃっているから駄目(受け付けないということ)なんだと思う。
正直似合っていない。

ファッションは自己満足だと言われてしまえばそれまでで、
『お前のブログはなんなんだ!』
と言われてしまえば
『自己満足です。』と応えてしまうのかもしれない。

               (了)

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2012年2月 1日 (水)

『 ある朝のでき事 』

自分の髪型は短いサッパリとしたのが好きなのだが、ここのところ身内から
『若く見えるから』とか、『毛が薄くなった』とか言われるようになって、余り切らないでいる。

そして今朝、出勤前にシャワーを浴びて、髭を剃っていたら毎日見慣れているはずの自分の顔がなんと、
『なぎら健一』
さんに見えた。

普段はそう見えないのに、見えてしまったのだから仕方がない。
僕は鏡に向かって、独り笑った。

今までなかった洗いざらしの髪が前に下がっていたこと。
ひげ剃り時には掛けないはずの眼鏡を、鼻で斜(ハス)に掛けていたこと。
髭を剃るのにほっぺたを膨らましていたこと。
それに、ここのところ眉尻が下がりはじめていることとかが原因だと鏡を見ていて分かった。

髪を整えて、家を出る時にはいつもの
『柴田恭兵』
さんのような男前に変身しているんだけどね。

Photo ⇒ Photo_2

で、身支度も終え、鍵を閉めてゴミ出しをして出かけようとしたら、郵便配達のおじさんが小包を持って僕の前に立ちはだかった。
僕宛てだったことは判ったが、どこから来たのかが判らなかった。
家内が通販ショッピングでもしたのかと思った。
品物が『キャンドルスタンド』って書いてあった思ったからだ。

で、閉めた玄関の扉の鍵を再び開け、上がり口にその小包を置く時にようやく送り主の名前が読み取れた。
そして僕はそれがどういうことなのか合点した。

ひと月程前にWEB内の広告かなにかで、或るジュエリーブランドの懸賞付きクイズに応募したのだった。

以前にジュエリー販売やジュエリーデザインに携わった経験のある僕としては、そのブランドには素直に憧れの気持ちがあった。

だから、クイズ応募の条件であるメールマガジンが定期的に送られて、ブログの更新を伝えてくれることを煩わしいとは思わなかった。

僕は仕事の合間にそのキャンドルスタンドがどんなものなのか、ダイヤの一粒でもくっついていやしないかなんて想像を膨らました。

『ヴァン・クリーフ&アーペル』社。
いわゆる『ヴァンクリ』である。

品質の良さ、洗練されたデザイン、伝統と歴史あるブランドヴァリュー。
どれをとっても一流だと思う。

キャンドルスタンドとはいえ、そんなブランドのものだからきっと素敵なものに違いない。
(ちなみに一等は何だったんだろう。時計とかだったらもちろんそっちのがイイし、それが欲しくて応募したのではないか。)
(実際は『ヴァンクリ』の象徴的な『アルハンブラ(カーネリアン使用)』というデザインペンダントで¥294,000也でした。)

ちょうどひと月遅れのクリスマスプレゼントだ。

帰ると白い小包は未開封のままリビングのテーブルに置かれていた。
そして中身は『アロマキャンドル』と書かれていた。
僕の見間違いだった。
さすがにダイヤは付いてはいないだろう。

食事を終えてから小荷物の包装を解き始める。

まず丈夫そうで立派な紙袋に感動してしまった。
うぐいす色に『ヴァンクリ』のロゴとマークが描かれている。
袋を覗いてエアパッキンで丁寧に包まれた小箱をそーっと取り出す。
上品な紺色の外箱の蓋を開けたら、やはり紺色のオーガンジーの巾着に包まれたアロマキャンドルがお目見えした。
サファイヤを思わせるブルーのグラスの器に入った紺色のキャンドル。
グラスにはホログラムで、『Fe'erie』とか書いてあって(フランス語だろうか)、トンボのような羽を生やした妖精が描かれている。
ボールのつまみのシルバー(メタル製?)のキャップが心憎い。
全てが『ヴァン・クリーフ&アーペル』プロデュースである。
もったいなくて火なんか点けられやしない。

それにしても、なんて高級で乙女チックな贈り物なんだろう。

僕は興奮がおさまらず暫くワクワクしていたけれど、この当選の予兆が、鏡に映った『なぎら健一』さんだったことを思い出し、独りまたほくそ笑んだのだった。

Vcac

               (了)

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2011年10月11日 (火)

『帽子ッ被り』 1/2(2008年11月のリアップ)

僕は帽子が好きだ。
もちろん被って街を歩くことも好きだ。

蕎麦好きのことを『蕎麦ッ食い』だなんて言うから、
僕は『帽子ッ被り』だ。

今はもっぱらベースボールキャップと冬のウォッチキャップ(ニット帽)がメインだが、
昔は、夏用のハンチングやツイードの防寒帽(Made in England)なんかもよく被っていた。

帽子を被るにはそれに合った服を着ないとイケない。
なので、最近は、ジーンズや綿パンにTシャツ、スウェット、上着はジャンパーという格好に合う帽子しか被らないということだ。


明治、大正、昭和初期と帽子は今よりも日常的な衣装という印象がある。
現代も若い子達を中心に帽子は日常のファッションアイテムになっている。
が、当時の日常とは、ビジネスでも、背広姿で、被ることが許されていたということだ。

映画や歴史ニュース、セピア色の写真を見ての感想だけどね。


『ボルサリーノ』『ゴッドファーザー』などのギャング映画で観た『ソフト帽』は、ファッションなどに興味を持っていない10代前半のガキんちょからしても『カッコイイ!』姿だった。
もちろん、パリッとしたスーツやコンビのウィングチップシューズも含めてのことだったけどね。
http://www.halcyon.co.jp/image/H-1525%20Al%20Pacino.jpg
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夏は『パナマ帽』だ。
麻の開衿シャツにたっぷりとしたスラックス。
森田芳光監督の映画、夏目漱石原作の『それから』は主演、松田優作さんのイメージがそんなだった。
『パナマ』は被っていなかったかな。
しかし、その姿の格好良さには脱帽だ。
【23%OFF!】それから(DVD)

黒沢明監督の『野良犬』なんかにも刑事達が帽子を被っていた。
(志村喬さんが『パナマ』で、三船敏郎さんが『ハンチング』だったようだ)
三船敏郎/野良犬(Blu−ray Disc)

下町で間口二間程の、看板も入り口も埃を被ったような帽子屋さんを見る。
それこそ、背広姿にも帽子が当り前の頃から営業してるのではないか。

川崎で見た店も品川にある店も奥に『パナマ』がどっさり重なって置いてある。
川崎の店はかなり細かく分類され、数多く置かれていた。

『ソフト』だって、喜劇王『チャプリン』が被っていた『山高帽』だって、
『ダービー』観戦に興じるジェントルマン達の『シルクハット』だって置いてあった。

なんだか胸躍り、眼に輝きが増していたし、小声で『凄い、凄い』ともらしていた。
Photo_3

それは僕の懐古趣味と、そうした『帽子』を被る男達のスタイル、
その『様式美』の素敵さに憧れているからなのだと思う。


              (つづく)

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2011年6月15日 (水)

『 アロハシャツ 』(6/16追記あり)

6月1日、衣替えで『スーパークールビズ』といってかで、アロハシャツを着て仕事をしているオッサンがテレビに映されていた。
あれはない。

ハワイでアロハシャツ、沖縄でカリユシなら分かるけど、東京のど真ん中で、霞が関のお役人がマスコミ用とはいえアロハシャツはない。
ポロシャツや開襟シャツなら分かるけど、もちろん無地かせいぜい縦縞くらいでしょう。
多少オーバーにガイドしようとしているんでしょうけど、おかしい。
(彼らの)頭が固いのか、国民を馬鹿にしているのか、見ていて不愉快になった。


アロハシャツには憧れがある。

中学時代に流行っていた。
が、中学時代の僕はほとんどが、ジャージ上下。
高校の頃は、アイビーとその弟分的なプレッピーという格好。
やっぱりコッパン(綿パン)にポロシャツ、デッキシューズといったカッコばかりだった。


アロハシャツといえば、映画『チ・ン・ピ・ラ』(監督川島透、脚本金子正二)の柴田恭兵さん。
白のスーツにアロハシャツ。
今でも歳を感じさせないカッコ良さだけど、当時はホントに好きだったなぁ。
(よく見たら、柴田恭兵さんのは柄の開襟シャツで、ジョニー大倉さんが、アロハシャツでした。)


それともう一つ、これまた名作、映画『アメリカングラフティー』(監督ジョージ・ルーカス、製作フランシス・F・コッポラ、主演リチャード・ドレイファス)に登場するディスクジョッキー『ウルフマンジャック』のアロハシャツ姿。

アロハシャツは大人の着る服のように思っていたのかもしれない。
若い頃のアロハシャツ姿ってなんだか安っぽいように見えたので、自分で着ようとは思わなかった。

恰幅がよくて、風格があって、遊びが上手そうなお洒落な大人。
それと、なぜかリーゼントか。

本格的なアロハシャツは、高価だということもある。
ビンテージものじゃないにしても、やはり1万円は越える。

それと悩むのが、柄だ。
もともとは日本の着物からなるものだから、それらしいものを選べばいいのだろうが、様々な色や柄はから、自分の顔やスタイルとマッチするモノを探すのはなかなか難しい。

はたして、僕がアロハシャツを着て町を闊歩する日がやってくることはあるのだろうか。


追記)もう一つ、アロハといえばやはりこれかなぁ。
http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/r-mediashop/cabinet/tana105/113-517.jpg


               (了)

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2011年1月25日 (火)

『  今 風  』

年末にスーツを買った。
なかなか洒落た今風の細み、しかも三つ揃いだ。

起毛の生地で色はグレー地に黒の細かいチェック柄である。
おじさんっぽいとも言えるが、よく言えば『英国風』。

さて、裾上げだ。
実は僕は、いつもここで迷ってしまう。
以前に買った、やはり今風のスーツは、昭和生まれの『もったいない気質』が出てしまい、ついつい長めの丈にしてしまった。
脚が短いから長く見せたい想いが出てしまうのももちろんある。
果たして功を奏しているかは別問題だけどね。

で、今回は少し短めにしてもらった。
今風に。
いつもなら、カカトを踏むくらいのところを、踏まない程度に。
裾上げする人もプロだろうから、大丈夫といつも自分に言い聞かしている。

クリップで留めた後、試着室を出て靴を履く。
まぁ、実はこの靴のデザインでズボンの印象は随分と変わるのだ。

あの靴用に、このスーツ、なんて買える身分ではないので、普遍的な寸法とかが、あればイイのにと思う。
それともやはり、床屋さんのように黙っていればいつも通りの仕上がりが、という行きつけがあればいいんだけどね。

で、その日は仕事が休みだったので、ワインカラーのローブーツ。
果たして、……。

僕は帰った後も、丈のことが気になっていて、店に確認の電話をいれるくらいだった。
股下が何センチになっているかを聞いてみたのだ。
だいたいいつもより1センチ短い長さの想定内だったので、安心して電話を切った。
実寸は内緒である。

翌日、仕事の帰りに受け取りにいった。
靴は薄い茶色のプレーントゥを履いていた。

店員さんは言った。
『ワンフックなので、よろしいんじゃないでしょうか。』
確かに。
ワンフックとは、靴の甲にズボンの裾が当たり、折り目が一ヶ所軽く折れるくらいの長さのこと。

短すぎということもなさそうなのだ。
僕は売場を後にした。

*** *** *** *** *** *** *** *** ***

年が開け、会社で取引先を招いての新年年賀会が開かれたので、さっそく新調したスーツを着ていくことにした。

会社から会場への移動、打ち合わせを経て、エントランスでお客様を待っていた。
その時、なんか変な感じがした。
異和感である。

それはズボンの丈が短いことへのものだった。
今風はこんなにも短いのかと思えるくらい。
それにしても、おかしい。
ワンフックも確認していたのに……。

僕は少しでも下がらないかと、ズボンを下に引っ張ろうとしていた。
その時である。
僕の今風のズボンは、僕の今風でないズボンの下の、タイツの静電気によってまとわりつき、裾を上へ上へと引っ張りあげていたのだ。

まったく昭和のおじさんがカッコをつけて今風を気取ってはいけないの巻である。


               (了)

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2009年9月 5日 (土)

『 浴衣考 』(其の参)

『えぇ、ちょっとそこまで…』

浴衣姿で振り返る。
赤い鼻緒の細下駄をカラコロならし、路地裏をかけていく。

昭和のドラマや映画なんかでありそうなシーン。

『池内淳子』、『淡島千景』そんな女優さん達を思い浮かべる。(結局、東宝の『駅前』、『社長』シリーズか)
(一方『淡路恵子』や『岸恵子』はハイカラな洋風のイメージ)


襟の抜き方、袂のさばき方、その『立ち居振る舞い』がイイ。

『凛として』『しゅっ、とした』、背筋の伸びた、色気のある『大和撫子』。


現代(いま)の若い子達にはそれがない。

『長い脚は、大股に開き』、裾も『歩きの音』も乱れる。
『背が高く猫背』になる女子。襟にも皺が、

もちろん仕方ない。
小さい頃から、ジーンズやTシャツで過ごしてきているのだから。


僕らが『浴衣』、『着物』といった衣装を格好良く身に纏うならば、格好良く着こなし振る舞っている人を真似すればイイ。

『時代劇』『任侠映画』『歌舞伎役者』『落語家』『旅館の女将』『芸者さん』『お茶、お花のおっしょさん』……


とか言いながら、実は僕だってそんなエラそうなことは言えない。
自分の歩いている姿なんかを見たこともないし、着物を着て、寺子屋へ通っていたわけではない。
(小学校五年生から三年間、柔道には通っていたけどね)

それでも、僕のお手本は、おそらく『鳶職』の諸先輩方だろう。

男振りもよく見える、威勢のイイ仕事師。
やはり着慣れているせいもあって、格好がいい。

半纏も浴衣も、帯も草履も、わらじの履き方だって教わったり、真似をした。


後はやっぱりそれを身に纏った時に、その気になれるかということだろうか。
『和』を身に纏うというイメージを、大袈裟にいえばその『精神性』を持てるかということだ。

”Soul of WA " 。


毎年、お祭りの三日間に浴衣を着て、歳をとってゆく。
少しずつ、『和』の心持ちを感じ、意識していくことで、浴衣の似合う日本の大人になっていくのか。

               (了)

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2009年8月22日 (土)

『 浴衣考 』 (其の弐)

女の子達の着ている浴衣には傾向がある。

ざっと見て、まず色目が『黒色』系のモノが多いような気がする。
そして、柄がバラだったり、ハートだったり、猫だったりとこれまた『今様』とでもいうのか、
きっと化学染料によるプリントが多いのだろう。

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  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***

浴衣は平安時代、貴族が蒸し風呂に入るとき、水蒸気でやけどしないように着た『麻』の単衣、「湯帷子(ゆかたびら)」がはじまりとされている。

現在の浴衣の原型となったのは、江戸時代の後期、木綿が普及したころ、幕府の倹約政策も手伝って、庶民に広がっていったのだそうだ。


白地の浴衣は『江戸好み』。紺地の浴衣が『上方好み』なんて聞いたことがある。
『粋』を主とする江戸ものは『涼しげに見える白地』を好むということか、

ウェブでみると『白地は涼しげに見える昼。』『虫除け効果のある藍の多い紺地が夜。』なんて考えもあるのだそうだ。

ともあれ、綿晒に『藍染め』が基本だ。


二十六、七の頃。
お祭りの会の揃いの浴衣の柄 ー 会の紋を散りばめて、中形(小紋よりやや大型の)の総柄 ー をつくらせてもらった。(こういうのもテキスタイルデザインというのか)
師匠でもある先輩の助けもあって、そこそこ見られるものが出来上がった。

その後も、同級生が会長をやっていた会のものや、後輩が所属している会、自分が世話になっていた町鳶の親方個人の浴衣柄などもつくらせてもらった。
どれも褒められたものではなかったが、僕の浴衣への想いは最高潮に達した。


そしてこの頃、友人の紹介で都内の有る染工所に見学に行ったりもした。
『願わくば、…』なんて頭を過った。


『松原染織工房』というところだった。(http://members.edogawa.home.ne.jp/aizome/

『長板』という三間半(およそ6m30cm)の板に木綿の生地を張り、型紙を乗せては『防染糊』、まさに『染まるのを防ぐ糊』を塗っていく。
しかも裏表ぴったりと柄を合わせなければならないので、それが難しい。
その職人技は『重要無形文化財』に指定されていた。

糊が塗られた晒は、四国から取り寄せた本藍の染料が入った甕の中に浸されていく。
糊が塗られていないところに、藍が染まる。


そこは江戸時代からの型紙を保存、伝統の技を継承していく工房だった。
細かな模様や柄が、藍で美しく涼やかに彩られていた。

               (つづく)

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2009年8月18日 (火)

『 浴衣考 』 (其の壱)

湘南の海水浴場で開かれた花火大会に見物に行ってきた。

午後四時には会場付近の海岸に着いた。
日照時間の少なかった7月を過ごし8月、その日は天気予報を裏切って、やっとこよく晴れた、夏らしい暑い一日だった。

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普段着の人の他、浴衣姿と水着で歩き回っている人とが同じ場所をうろついていた。

打ち上げ場所を眼前とする『海の家』は、その言葉に連想される情緒的な風情などは微塵も感じさせてはくれない建物の造りをしていた。
『カリブのリゾートのバー』を意識しているかのような洋風の造りになっている。

『浪板』に『ゴザ』ではなく、『ウッドデッキ』に『バーカウンター』、
『いたいけなアルバイト』ではなく、
『攻撃的なガングロ金髪』である。

陽に妬けた肌、金色に輝く髪、色とりどりの水着、そしてタトゥー。
背中一面に和彫りの『赤い鯉』を『赤いビキニ』越しに曝している女の子までいた。


   ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***  ***

ところで『浴衣』だが、女の子と男の子でいうと、女の子の方が着こなしが上手にできている。
襦袢とかをつけているのだろう、しっかり着ている。
その一方、男の子はおそらくパンツ一丁の素肌に直に着ていて、帯がしっかりと結ばれていない。
袷が乱れ、胸が開け(はだけ)、裾が開いているので、チョウチョが横になって、だらだらの『X字』状態だ。

街着として着るんだったら、男だって肌着は付けたい。
綿表には、綿の肌着。(浴衣は綿だから、綿の肌着を付けるということ)
麻には、麻で揃える、なんて事も先輩から聞いたことがある。
(麻や絹の着物にはそれぞれの肌着をということ)

『ダボシャツ』に『ステテコ』(猿股)のことだ。(絹の着物ならやはり基本は襦袢なんでしょうけど)
この肌着、一度付けてみるとこれがまたなかなか上々の着心地なのだ。

海で、黒っぽい浴衣の下に『黒色のV襟』のTシャツを着ている若者もいた。
頭には麦わら帽(パナマスタイルの)をかぶっていた。


また、女の子の方が、着せる人もちゃんとしているのだろう。
だいたい着物を着慣れているのは、女性の方が多いと思う。
それでも余っぽどの人でない限り異性の着物姿をカッコ良く着付けられる人はそういない。
なので男は、着慣れている男性に教えてもらうのが良い。


地元でお祭りの会などに所属していると、揃いの浴衣なんかを男でもいくつも持っていて、
(ちなみに僕は六、七着と頂き物の反物が二つ)
お祭りの期間中、始終、着ちゃ脱いじゃ、を繰り返すので、いやがうえにも着られるようになっている。
また、習っているのが、着こなしの上手な先輩だったりするしね。

それと、草履も下駄も格好のイイものを履きたい。
もちろん、格好イイ先輩の履いているのを見習ってね。

               (つづく)

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2009年6月24日 (水)

『仕事場のネクタイ』

仕事でするネクタイが痛んできたので、家にあったものの中からいくつかチョイスした。

仕事着が白地に赤と黒を基調としているものなので、今までに『エンヂ系のレジメンタルストライプ』、『エンヂ系』と『黒系の幾何学模様』の3本をつぶしてきた。

プリントタイは紡がれている糸が細いので、末端の三角になっているところが、ケバケバと切れほつれていく。
ジャガードのものは、面のデコボコとしているところが擦れて切れほつれていく。

お気に入りのネクタイがそうなっていくことは、とても辛い。


お気に入りのものは、『勝負ネクタイ』として使うことがある。
今日は特別に仕事を上手く進めたいという時に締めていく。

仕事着(ユニホーム)は別として、ネクタイは毎日、違うものを締めたい。
もちろん、シャツもジャケットも変れば、ネクタイも変るわけだけど。

その日、どのネクタイをチョイスするか。
本数自体は何十本も持っているが、結局、するのは特定の何本かに決まっている。

野球の試合で、ピッチャーの持ち玉が、何種類の球種をを持っているのか。
次はどの球で攻めるのか、…
勝負球は、…
なんてのと似ているような気がする。

仕事は真剣勝負だから、…

って、やっぱり、そんなに大袈裟なものではない。

マリナーズのイチロー選手が、今日はどのスニーカーを履いて『セーフコフィールド』に向かうか、ぐらいのものかもしれない。


そして、仕事場でするネクタイだ。

『黒地に赤色の線で、大きなウロコのような模様』が描かれているものにした。

通勤時に、スーツに合わせてする事はまずないであろう代物だ。
他の『淡いブルーと白の市松模様(ダミエ柄)』より、『赤系とゴールドの垂直のストライプ』より先にしてみた。
というより、したかった。

それは、僕の父親がおそらく40年くらい前に締めていた、アンティークなネクタイだ。

いまだ、写真芸術に身を投じている彼のチョイスは、今の僕からすると、奇抜であり、アバンギャルドなものだ。

なので、普段のスーツに合わせることが難しい。
が、仕事場の格好にはこれが、いいように思えた。
また、父親のネクタイを締めるというのが悪くない。


僕はケン・グリフィーJr.がお父さんのグローブを持って、グラウンドに向かうように仕事場に出る。

               (了)

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2008年11月26日 (水)

『帽子ッ被り』 2/2

学生の頃、バイト先の友達が、卒業旅行でニューヨークへ行った。

『お土産、何がイイ?』と訊かれたので、
『帽子がイイかな。』

と当時、大人気の『インディ・ジョーンズ』でハリソン・フォードが被っていた『茶色い10(テン)ガロンハット』をお願いした。

それはアドベンチャーに耐えうるタフなボロボロの帽子をイメージしていたのだが、
彼がNYから帰り、僕に手渡してくれたのは、
まさしく『ボルサリーノ』で被っていたような、鍔の広い『茶色のソフト帽』で僕は、恐縮しながら、喜んだ。

そんな、おそらく高価な、嵩の張るモノを大事に機内も手荷物でもって帰ってきてくれたのだ。

憧れの『ソフト帽』を僕は当時、茶系のダブルのスーツに合わせて被ったり、
(政治家さんの応援パーティにだったけどね。)
金色のサテン地のダウンジャケットに合わせて、大学の『学園祭』にも被っていった。
サイズもぴったりで、大のお気に入りである。


その後も、味を占めた僕は海外へ行く知人友人に
『お土産は・・・?』
と訊かれると、暫く
『帽子』と答えていた。


英国帰りの人には、『ウールのダークカラーのタータンチェックのキャップ』
ヨーロッパの三国巡りの新婚カップルには『トリコロールのお土産用エッフェル塔柄のコットンハット』
ブラジル(ニューヨーク経由)土産には、『モスグリーンのGORETEX(防水加工)の鳥撃ち帽』おそらく雨天時のゴルフ用だろう。
ハワイ帰りのサーファーの友人には『地元ローカルラジオ局ネーム入りベースボールキャップ』を

みんなすてきなデザインのものばかりで、僕は家で手にしては眺め、
鏡の前で被っては鍔を摘んで顔を作ったりした。

が、がである。

皆、僕の頭の鉢には入りきらないのである。

今でも、日本で売られているフリーサイズの帽子は、たいがいが入らない。
それにしても、海外製品のものまで入らないのはちょっと悲しい。
皆さん、ご自身で試しに被ってお買い求めいただいたのだろうか?

皆さん!私の帽子のサイズは『60-61cm』でお願いします。

                 (了)

次回は、11/30(日)にアップします。

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