明けまして おめでとうございます(後)
街に人通りはほとんどない。
皆と別れ、家路の途中、近所の新聞屋さんに寄る。
自動販売機と新聞屋さんには蛍光灯の灯りが煌々としている
一年で一番分厚い新聞を買って帰る。
明けた朝、その新聞を開くのが楽しみだ。
帰れば家は、静まりかえっている。
冷たい布団に潜り込むだけで、すぐ眠りにつく新年を迎える晩。
朝、家に静けさが漂っている。
新年のテレビ番組も、自分の体調がそうさせるのか、
こころなしか静かに聞こえる。
雑煮、鶏、すまし仕立てのそれを身体に入れる。
餅は二個、か三個。
ウォーミングアップのように、すでに始まっている。
正月、元旦がスタートしている。
扉を開け、家を出るとまず静けさが違う。
都会に住んでいると、毎日かなりの騒音や雑音に紛れているのだな、
と実感する。
自動車(クルマ)の音が遠い。
人の気配も少ない。
空気が澄んでいるというより、
微細な分子が点描画のように一粒一粒主張しているような濃さで漂っている。
元旦、僕はその中を歩き、一年の始まりを体感する。
毎日、同じ24時間でしかないのだが、この時を迎えることで、己の身が引き締まる。
誕生日もそうだが、また今年も、新たな一年を迎えられるという当たり前のようなことを、
ありがたいと、喜びと感じられる年頃になってきた。
『明けましておめでとうございます』
ちなみに、今日で後厄年もあけました。
(了)


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