『街』シリーズ

2013年8月22日 (木)

『  先 輩  』

近所の通り道に『先輩』とよんでいた犬がいるのだが、……


うちの商店街にいくのに、必ず通る小径がある。
都会の建売り(細い:間口の狭い、三階建ての)住宅地の並んだ小径。

大概、半地下に駐車場がある。
そしてそこには犬小屋が、ある。
そんな小径での話。


我が家には代々愛犬がいる。

『犬は家族』、なんてちょっと気恥ずかしいような科白をはくが、犬を見るとついつい『お宅んちのお子様は……』なんて覗き込んでしまう。

そんな調子でその建売り小径にいる『ワンちゃん』達にあいさつをしたりする。
いつものこととしてね。


本日、久しぶりにその小径を通ったので、いつもの通りあいさつをしようとしたら、『先輩』はいなかった。
犬小屋だけが、暗闇の入口だけがその姿を見せている。
別段珍しいことではない。

その『先輩』、中型のミックス犬で、中型にしてはやや大きめのね。
耳が大きいところと毛の色のコンビネーションは、コーギーっぽい。
吊り上がった目はちょっと秋田犬っぽいなかなか堂々としたワンちゃんである。

『先輩』と名付けたのには理由がある。
そう、名付けたのはコチラである。
二、三年前のことだろうか。

なんどもうちの愛犬とその小径は通っていたのだが、或る日のこと。

我々が丁度『先輩』ん家の前を通りかかろうとしていた時、ダックスフントを連れていた一行とすれ違った。
その時である。
ダックスフントくんが、『先輩』に吠えついたのだ。

すると『先輩』、今までに見たことのない怒り様でそのダックスくんに吠え返した。
たしかに強面のワンちゃんではあったが、うちの愛犬には目配せをするくらいの余裕を感じさせていた。
我々は、驚いた。
誰が驚いたって、それはうちの愛犬である。

それ以降、我々はそのうちのワンちゃんのことを『先輩』と呼ぶようになったのである。


そして今日である。
いつものように覗き込んだその暗がりの犬小屋に、『先輩』も誰もいないその犬小屋に、なぜか
『小太郎』
という表札が打ち付けてあったのだ。

我々はこの事実をどう受けとめたら良いのかと、動揺を隠すことなくその小径を後にした。



               (了)

※ 初稿をそのまま掲載しちゃいます。

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2011年8月26日 (金)

『 東急池上線沿線散歩 』

車を手に入れてから、運転に慣れることを目的として休みの度に車に乗っていた。

そのこと自体が少し窮屈に感じられていたある週に、蒲田まで東急池上線を使って買い物へ行った。
随分と久しぶりのことだった。

無造作に小さなデジカメでシャッターを切ったので、水平も構図もないが、編集せずに何枚か。

近所の戸越銀座駅の踏切。

戸越銀座といえば、都内屈指の長い商店街で、街頭インタビューやグルメリポートなどのテレビロケがあるところ。
戸越銀座商栄会商店街(商栄会)、戸越銀座商店街(中央会)、戸越銀座銀六商店街(銀六会)の3つの商店街からなっている。

近所に住みはじめた四、五年は毎週ぶらぶらしても飽きなかった。


当り前かもしれないが、電車が近く感じる踏切。
以前はこの線路にも、おにぎりのような緑色の電車が走っていたのだろう。(渋谷駅ハチ公前に飾られている『5000系』というらしい。)
僕の記憶にあるのは、屋根が茶色で四角い緑の電車だけどね。(『デハ3450形』というのだそうだ。)
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戸越銀座駅から蒲田方面の次の駅、荏原中延駅までは散歩圏内。
大井町線中延駅とを結ぶ中延商店街はアーケード。
店の件数も種類もそこそこあるのに、ちょっと寂しさがある。

陽気さは戸越銀座に、華やかさは武蔵小山にとられてしまっているからか。
それでも、9月には『中延ねぶた祭り』が、3月には『ジャズフェスティバル』と、とても個性的な商店街だ。http://www.nakanobu.com/article/0004275.html

荏原中延駅は地下ホームなので、こんな景色に。
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池上線旗の台駅ホームの長椅子。
30年も前になる高校時代、この駅で乗り換えていた。
その頃のもこの長椅子はこんな感じ。
いつまでの大事に使って欲しい。

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蒲田駅は始発終点の駅。
降車側の壁面が、こんなになっているなんて忘れていた。

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高校の授業が終わると、週に二日か多いときで三日は蒲田の友人の家で麻雀をやった。
2度目のパーマをかけたのが、蒲田。
イメージがなく、店員さんに『どうする?キツくする。』と言われたので、
『いえ、普通で、』と言ったら出来上がりは、いわゆる『パンチパーマ』になってしまった。
件の友人の家で、麻雀をやらず必死で髪を洗って伸ばし、そってくれなかったモミアゲを落とした。
すると、モノマネの上手かったタレント『九十九一(ツクモハジメ)』さんのような頭になった。

11_0809_13東急蒲田駅ビルの東急プラザの屋上にはいまだに観覧車がある。
テレビでは見るが、乗ったことはない。


11_0809_11蒲田駅西口サンライズ蒲田の線路よりのガード下はこんな感じ。
昔から、アジア的な臭いのする街、古き良き昭和を感じさせる街を象徴するような風景。
入りやすそうなタイ料理屋を見つけた。
今回は愛犬も一緒だったので、またの機会に。

真夏の沿線散歩は、ちょっとした思い出散歩にもなった。

               (了)

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